|
「唐傘の悲劇」 ざあざあと降り注いでいる雨はあからさまに質よりも量を強調している。 品がないとはこのことだが、雨に品を求めるのもどうかと僕は思った。 傘を借りて、傘をさす。 だが、もし、この傘が唐傘だったとしたら、どうだろう? 僕は言い知れぬ気分で唐傘を握り締めながら、 もしかすると、唐傘をささないかもしれない。 雨の日に、雨の中、雨の下で、雨に濡れ、 台風が来ても、それでもなお、さされない傘、唐傘。 それは、もしかすると唐傘の存在理由に関わる事かもしれなかった。 唐傘はそれで良いのだろうか? ようよう、さされない傘、唐傘。 そういえば、唐傘お化けなんてのがいた。 唐傘お化けでも雨の日には雨宿りをするのだろうか? するのだろう。 だって、雨に濡れるのは嫌だし。 そうか、そういうことなのか。 |
| Copyright (C) 2002 Kourick All Rights Reserved. |