「あの、先生……全然、わかりません……」
「それは、わからないことだけが物凄い、わかってるってこと?」
「あ、はい……」

「じゃあ、わからないところを考えよう」
「あの、先生……わからないところが、全然、わからないんです……」
「それは、わからないところがわからないということが物凄い、わかってるってこと?」

「あの、はい……すみません」
「いや、別にすまないことないよ、厄介だけどね」
「厄介ですか……」

「う〜ん、まあ、一日たったら、全部、わかるようになってるんじゃないかな」
「え、なんでですか?」
「君は、それを本気で言ってるの?」

「え……その、はい……」
「これから君が勉強するからに決まってるじゃないか。それとも、他に方法があるの?」
「あの、私の脳みそを少しの間、取り出して、ブドウ糖果糖液糖を1リットルほどかけ」

「ても、わからないと思うなぁ、僕は……その前に死んじゃうよ、たぶん」
「そうでしょうか?」
「そうでしょうね」

「じゃあ、どうしようもないわっ!」
「いや、だから、勉強しようよ」
「先生、じゃあ、活きの良いライオンをつれてきて、私の頭をかぷっとかませ……」

「ても、わからないと思うよ、僕は……わかるかもしれないけどね、可能性はあるよ」
「それしかないわっ! もう、それしかないのですねっ! 先生!!」
「いや、そういう問題じゃないよ……」

「じゃあ、どういう問題なんですかっ!! 説明してくださいよっ!!」
「えっと、良いのかなぁ……。あのね、これはわからない問題なんだ」
「えっ?」

「じゃあ、今日の授業はここまで、以降の問題は宿題にします」

 がらがら、ぴしゃん。